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8/トラスロッド



ボディがとりあえず終わったので、次はネックです。ネックのいろいろな加工に入る前に、トラスロッドを仕込まなくてはいけません。左の写真はオーソドックスなスチール棒のトラスロッドです。まあ、いわゆる古典的な(コンプレッションタイプ)スタイルですね。長いのがミディアムスケール用(今回使用の628mmスケール)、短いものが、アコギなどに使用するタイプです。ちなみにアコギの方がスケールが長いのに、トラスがなぜ短いのか?といえば、アコギはネックのジョイントが14F、対してエレクトリックは16F、つまりアコギはスケールこそ長いのですが、トラスロッドが仕込める長さがエレクトリックに比べて短いんですね。ふむ。
一口にトラスロッドといっても、いろんなタイプがありまして、たとえばフェンダー系などは左の写真の一番右に移っているタイプ(つまり、片一方<トラスロッドのエンド部分>が曲がってないタイプ)を使います。写真では、ちょっとわかりづらいですが、真ん中あたりにある赤いトラスロッドは、マーチン系に使用します。このほかノンアジャスタブルタイプ(調整が出来ない、タダの鉄の角材)などもあります。 さて、それではトラスロッドをはめ込むための加工をしていきましょう。
まず、いつものことですが、トラスの径を計って、その大きさのルータービットを用意します。
これがルータにセットしたところ。 6mm径のビットを使います。 つまりトラスロッドは6パイの大きさと言うことですね。
はい、このようにルータにガイドをつけて溝を掘っていきます。

今回は、ちょうどトラス溝がバーズアイのところなので、結構堅くて掘りにくく乱れてしまいました。写真でもわかるように、溝がガコガコです。といっても、基本ラインは大きくずれてないので微調整ですみそうです。

溝を切り終えたところですね。
トラスロッドをはめてみます。この時点ではトラスロッドのお尻部分の曲がりの穴が、まだ開いてないので、逆向きにはめ込んでいます。とりあえず、いいようですね。
取り出すときもきっちりはまるので一苦労。エイヤと力を入れて抜かないと、溝にきつく入ってなかなか抜けません。

トラスロッドのお尻の曲がり具合は、直角ではありません。ややナット側に鋭角状態で曲がっております。(もちろん手で修正出来るほどヤワではないし、してはいけませんが・・・・)つまり、この鋭角の角度にドリルで穴を開けなきゃイカン!と言うことを言いたかったわけですね。
おっと、その前に。 トラスロッドのヘッド部分のザグリをしなければいけません。このように実物から寸法をとり、彫刻刀などトラスロッドのヘッド部分が入る穴?を開けてきます。
同じような写真ですが、やや進んだところ。
このようにトラスロッドのアタマが入るところまで来ました。 つぎは、お尻の部分です。

さて、鋭角に角度がついた穴を開けるにはどうしたらいいのか?

はい、答えはこれです。このようにトラスロッドの角度にあわせて何かで目印を付けておきます。

このようにその角度に合わせてドリルで穴を開けていくわけですね。まあ、自慢げに言っていますが、他の人も結構知っているワザなので、あまりエラソーにいわず、ここは控えめに。
無事、トラスロッドも収まりました。この時点では、まだテンション(ナットを回し締め込む)をかけてはいません。 まだ早い! このトラスロッドの上に埋木をして初めてナットを回します。このトラスロッドの溝は、じつは直線では切っていません。このようなコンプレッションロッドタイプは、ネックの中で若干、弓なりにして仕込みます。これがマーチンタイプのようにダブルのタイプですと(一番下の写真)このロッドの中でテンションを作るため、ストレートに仕込んでも良いのですが、1本の金属丸棒からなるタイプは、やはり弓なりに仕込むことが鉄則です。
その仕込み方は、本来溝をカーブさせてルーター彫りすればいいのですが、河野の手持ち道具では、なかなかその細工がしづらいものがあります。従って、巾6mm×深さ10mmの溝を掘るのですが、ヘッドより1/3までは深さ9mmに仕上げます。つまり溝に段が出来るため、ココにはめたトラスロッドに、少しテンションをかけた状態で組み込むわけですね。これで、万が一反った場合(まあ、大抵はいずれか反りますが)に修正しやすくするためです。

さて、トラスロッドの話はここらまでにして、ネックの耳をつけて行きましょう。

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