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1978年製のGrecoは、富士弦楽器製造株式会社・・(らしい?)

いろいろ調べてみると、どうも・・・富士弦楽器製造株式会社(現フジゲン)製みたいな感じですね・・・・?
いや、ひょっとして
マツモク工業製・・かな?ん〜、違うのかな?
と、いろいろ疑問を抱きながら、あちこちを調べてみたんですが・・・・
どーにも、最後の最後が分からない・・・状態でした。

・・・ということで、いろいろな方から情報をいただき
この当時のGrecoは、やはりフジゲン製だということが判明。



さ、ストークにやってきた78年製Greco LesPaul。
キレイにして、オーナーの所に帰っていただきましょう!



最初は、まずパーツの取り外し・・・からですね・・・。
以前のSG のような、恐ろしいモノの蓋を開ける・・・とまではいきませんが
ま、それでもパーツをひとつひとつ外していくのは
なかなかドキドキする瞬間です。

はい、1978年製、Greco LesPaul Standard。
これはハニーバースト・・・・?
ん?ティーバースト・・・?
ま、いずれにせよ「コク」のある
なかなかいいカラーですね。

ヘッドに燦然と光る「Greco」のインレイ。
当時、Gibsonなんて雲の上のまた上・・・・の存在だった頃
このGrecoの文字は、頑張れば到達できる・・・
というくらいの存在でありました。
(ま、それでも当時は「高嶺の花」・・でしたが・・・)

あちこちをじっくり観察してみると・・・
いやあ、「いい仕事」ですね。
もちろんLesPaulのコピーモデルなのですが
これがしっかりと、コピー以上の仕上がり。
あらためて、この時代の日本のギター製作技術は
本当に高かったなあ・・・と感じる瞬間でした。

ブリッジ部は、オーナーがすでに交換済み。
ただ、ブリッジのスタッドボルトを、
今風のタイプに交換して欲しい・・という要望もあり・・・
(パーツはオーナーが入手)
そこら辺は、若干の加工が必要になってきますね。

ポット等のメンテナンスカバーを開けたところ。
おおっ!・・・
キレイじゃないか!
以前、リペアしたSGに比べると、これは本当にキレイ。
オーナーは「ガリがひどくて・・・」と 言ってましたが
ひょっとして接点復活剤で大丈夫じゃないかな?
・・・と、この時点で感じておりました。

アップで見るとこんな感じ。
潮吹き昆布状態の3歩手前・・・くらいですね。
こんな状態は、現役ギターでもいっぱいありますよ。
ハンダの酸化もひどくないし・・・・
シールディングもまだまだしっかりしてるし・・・。

ん〜、あらためてGrecoの仕事の確かさを感じるショットですね。

トグルスイッチ部分も、全然キレイ。
カチカチッのアクションが若干甘いので
ひょっとしてこのトグルスイッチは、交換が必要かなあ?
と、この時点では感じていました。
さ、じゃ、オーバーホール行程に入っていきましょう。
まずは、メンテナンスホール蓋の隙間の「垢落とし」から・・・。
こういう箇所は、ボディとメンテナンスホール蓋の隙間に
長年の汚れやホコリなどが溜まりますので
(ま、それはショーがない事ですが・・・・)
このようにマイナスドライバーなどで、カリカリと汚れを削りつつ
その後、水やアルコール(エタノール等)やベンジン等を
綿棒に染みこませながら、ゆっくりと磨いてやると
かなりキレイになりますよ。
で、ポット表面なども・・・
このように使い古した歯ブラシでゴシゴシ・・・。
あまり強く擦らないように・・・。
表面の「白い粉」を拭き上げるような感じでこすると
かなりキレイになってきます。
このトグルスイッチは、現代的なスイッチ形状ではなく
いわゆる「廉価版」として市販されているようなタイプですね。
全体に、すこしくたびれた感じがするので、大丈夫かなあ〜
なんて考えながら磨いていました。
ま、どうしても使い物にならないようであれば
その時は、とっとと交換すれば済む話ですので
とりあえず、ここは「使用可能」を前提に
キレイにしていきます。

フタ部分のエッジもマイナスドライバーで削ってから
歯ブラシでエッジ部分をキレイにしておきましょう。

はい、掃除終了後の写真。
もちろん新品・・とまではいきませんが
かなりキレイになりました。
ここまでの所要時間は、約3時間くらい。
ま、よーするに、この「掃除」が一番時間がかかるんですね。
とにかく、キリがないから・・・・
キレイに・・・を前提に作業し始めると・・
結局、リペアになっちゃうし・・・。
この「どこでやめるか」が、いつも非常に悩むところです。
もちろん、自分自身のギターの場合は、
とにかく「徹底的」が前提ですが・・・。

それでは各パーツをばらしていきましょうか・・・。
まずはピックガードから。
う〜・・・・・・ん、
とにかくビスがサビサビで・・・・

さすがに、ビスのほとんどが使い物になりません。
サビと腐食で、ねじ山がほぼ壊滅状態。
少し力を入れると、グズグズとねじ山が崩れていきます。

ピックアップ周りも、経年の劣化が顕著です。

ピックアップは、交換します。
エスカッションは、プラスチック製なので
磨けば再生可能かな?・・と考えていたのですが・・・
残念ながら、その目論見はもろくも崩れました・・・。
10コマくらい下の写真で判明!

テールピースのボルトですね。
左がオリジナル。で、右がオーナーが用意してくれた
テールピースのスタッドボルト。
しかし・・・・・・・
ん〜・・・・・オーナーが用意してくれたテールピースの
スタッドボルトと、Grecoオリジナルのブッシュ(受け部分)の
ピッチが合わないのですよ。
ちなみに、オリジナルのスタッドボルトは、
メトリック(メートル)1.25(だったかな?)サイズでした。
ま、とりあえず手持ちのスタッドとブッシュがあるので
それに交換します。
まずは、オリジナルのブッシュを引っこ抜くことにします。
こーのお手製のブッシュ引っこ抜きジグを使い
M8(だったかな〜?)のボルトでブッシュを抜いていきます。
まずは、フェルトの緩衝材を敷いたジグで
軽くボルトをブッシュに締め込んでいき・・・

手でボルトが回せなくなったら、レンチでグイグイと
回していきます。
この時、注意しなくちゃいけないのは
あまり景気よくレンチを回すと
ブッシュと一緒に塗装のエッジ部分が割れてしまいますので
ゆっくりと少し締め込んで、また緩めてブッシュの
飛び出し具合の様子を見て・・・を繰り返します。

はい、抜けました。
ゆっくり作業したので、ちょっと時間がかかりましたが・・・
ま、ブッシュの周りの塗装が欠けたり剥げたりしたら
その後の作業の方が大変ですからね。
ここは、しょうがない・・・ということで。
で・・・私の在庫のスタッドとブッシュのセット。
ボディ全体を磨き終えたら、このパーツを組み込んでいきます。
さ、つぎは・・・・ピックアップの取り外し・・・。
これがまた・・・・予定外の結果になりました。
ちょっと力を込めてビスを回すと・・・・・
あ〜らら・・・・・
ドライバーがどんどんビスを舐めていきます。
サビでボロボロになったビスが、ドライバーの力に耐えきれず
ねじ山が崩壊していくのでありました。
なんとかフロント(ネック)部分は、ビスが外れましたが
ブリッジ側は、どーにも・・・・・・。
かなり、この時点で悩みました・・・が・・・

決断!
このアイボリーのエスカッションは諦めよう!・・・・
ということで、ビスの周りのプラスチック部を
ニッパーでカットして・・・・・・
とらえずエスカッションを外しました。

で、ウォーターレンチで
ゆっくりと山がつぶれたビスを回して外していきます。
やあ、やあ・・・・・
なんとかピックアップも取り外し成功。
ま、おかげでエスカッションは、
新品に交換・・・になりましたが。
ピックアップを外してみて・気がついたのが
この2つの丸いもの・・・・
いろいろ調べてみましたが分かりません。
トラスロッド関連ではなさそうだし・・・・
何かの補強か?
ビス穴の隠し蓋か?
とにかく、いまだにこの2つの丸い「モノ」は
解明出来ておりません。
さ、どんどん進みます。
ピックアップをばらす前に、フロントとリアの
ポット位置などをマスキングテープを貼って
確認しておきます。
ま、確認する・・程のことでもないのですが
一応オリジナル状態を「記録」しておきたいので・・・。
シールドのジャック部分も・・・・
ああ・・・こりゃダメですね。
ビスもサビサビ・・・
プレートは、あちこちに亀裂・・・・
さらにジャック部分には、抜き差しの疲労跡が・・・・・
このジャックパーツは・・・交換するしかありません。
これがオーナーから預かった、新しいピックアップ。
最近手に入れたフライングVから外してきたそうです。
Gibson純正ですね。
ただ、ロゴを見ると最近のGibsonのピックアップのようですね。
このピックアップは、フロントリアがきちんと区別されています。
(本来はこうあるべきなんですが・・・)
ノギスで計っているのは、リアのPU。
さらに、そのノギスのサイズは、フロントPUサイズ。
つまり、フロントのPUよりリアのPUの方が
ポールピース間隔が広いワケなんですよ。
ギターの構造を考えれば、これは当然。
ギターのネックは、台形状態ですから
フロントよりリアのPU位置の方が
左右幅が広がって当たり前ですね。
しかし、そうなっていないァギターのなんと多いことか・・・。
で、PUカバーのないPUに
カバーをつける・・・んですが・・・
フロントの9.8mmピッチのカバーは
手持ちであったのですが、
リアの10.5mmピッチのカバーが・・・無い!
で、心配だったのでフロントとリア両方を
調達しました。・・・で、これが正解。
やはり微妙にトーンが違います。
やはりセットものは、セットで購入しないといかんですね。
フロントとリアの輝きが微妙に違うと
やっぱし・・・悲しいですものね。
あ、ちなみに9.8mmとか10.5mmピッチ・・というのは
ポールピース間のサイズです。
後付でピックアップカバーを購入される方は
このサイズをしっかり測ってオーダーしてくださいね。
で・・・・
カバーをかぶせ、ハンダで固定して・・・・
(当然のことながら、市販のカバーにピックアップは
すんなり収まってくれませんので、ピックアップのエッジ側を
ヤスリで削ったりして、ぴったりと収まるまで加工する・・・と
いうのが、ピックアップカバーを後付けする時の鉄則です。)
はい、ピックアップは完成・・・。
あとは取り付けだけですね。
じゃ、どんどんバラしていきましょう。
これはブリッジ用のスタッドボルトですね。
まずこれを引っこ抜きます。
このようにナットをダブルに締め込んで
下側のナットをレンチで回して抜いていきます。

締め込むときは、この反対ね。
上側のナットをレンチで締め込めば、
このボルトはボディに収まってくれます。
ま、今回はボルトとブリッジ受けが一体になったパーツを
オーナーが用意してくれたので、
その必要は無かったのですが・・・。
最近は、そうしたタイプも存在します。
強度もあるし・・・。

つぎはボリュームとトーンのノブを引っこ抜きます。
私がいつもやっているのは、このようにヤスリを2本使って
テコの要領で引っこ抜くやり方。
もちろん「支点」部分にはボディにダメージを与えないように
柔らかめの木材などを敷いて・・・。
私の場合は、木材の剥ぎに使うビスケットを使用しています。

ペグも外しましょう。
はずし終えると・・・・
ん〜・・・・年輪を感じるなああ〜。

    


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