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2/指板・ネックの加工



さ、いよいよネックのリシェイプに入るわけですが、
その前に、ネックの反りをチェックしておきましょう。
状況は・・・・・
む〜〜〜〜ん・・・・
こりゃ、すこし順反りしてますね。

このように、5〜7フレットあたりで0.08mmの隙間が出ていますね。基本的に、私はフレットの隙間の基準を、このシックネスゲージの一番薄い0.03mm以下としていますので
この0.08mmの隙間は、残念ながら・・・・NGですね。
フレット上面と指板上面をチェックしたら
指板自体が順ぞりしておりました。
従ってフレットを全部抜いたあと、
指板上面のストレートラインを出していきます。

はい、フレット抜き作業ですね・・・
エボニーの指板は、フレットを抜いたあとフレット溝周辺が、
バリバリにめくれ上がってくるので
かなり慎重にフレットを抜いて行きます。

ま、それでもフレット溝周辺は、かなり荒れました・・・が、
・・・でも、今までフレット抜きしたエボニーほど、
荒れが、それほどひどくないんですよね?。
はい、答えは・・・・・・・
エイブさんは、フレット打ちの時、
指板とフレットの間に、かなりの接着剤を入れていたようです。
(これはフレットの浮きを接着剤で埋めてしまう・・という手法です)結果、その接着剤たっぷりが、逆に功を奏してフレット溝周辺の「割れ」を押さえてくれたのですね。
とはいえ、それでも「めくれ」が出た部分を、一カ所づつ接着剤を含浸させ、固めていきます。

はい、フレットをすべて抜き去り、
そのフレット溝周辺の「剥がれ」や「めくれ」を
すべて押さえたあとの写真です。
いやあ・・・疲れました。
いつもの事ですが、このフレット抜きのあとの
溝周辺の始末が、一番手間がかかりますね。

あらためて、このギターの指板アールを計ってみると・・・・
おろろ・・・・16インチアールでした。

じゃ、指板をきれいにしていくわけですが、
実を言うと、この16インチアールの指板・・・・
ローフレットとハイフレット位置では、
微妙にそのアールが違っておりました。
(これはよくあることです、意図的に・・の場合もよくあります)
ところが、指板上面を厳密にチェックすると、そのアールが場所によってデコボコしていましたので、これは・・・ゼロから削り直す事に決定・・・・
ということで、ここは私の独断で、よりプレイアビリティを優先させるため、15インチアールに変更させていただきました。

指板上のインレイも、若干、このような ピンホールがありましたので、これもこの際、きれいにしていきましょう。

指板上すべての「埋め」作業が終わったら
いよいよ指板の摺り合わせです。

ゆっくりと、じわりじわりと指板を擦り合わせます。
通常、このようなジグを使って、指板を擦り合わせるとき
押して・引いての繰り返しになりますが、その際
どうしてもセンターが「凹む」傾向にあります。
ようするに、センターだけ往復で「力強く」2度削られる結果になっちゃうわけなんですね。

と、いうことで擦り合わせるときの力の入れ加減を
微妙に加減して、急がずにゆっくりと
指板上の水平出しをしていくわけです。

フレット抜きのあとで、飛び出ていたり、はみ出ている部分以外には、出来るだけ削りのダメージを与えないように
注意して優しく擦り合わせていきます。

で、何度もストレートをチェックしつつ・・・・

最終的に、240番まで摺り合わせが進むと・・・
まだまだ細かいピンホールが、ちらほら出現します。
で、これを一つづつ埋めていくわけですが・・・・
この行程は、ま、いわゆる古い言葉でたとえると「バグ取り」に近い作業ですね・・・。

私の場合、このようなピンホール埋めの作業は、
通常、この写真のような行程を、2〜3回繰り返します。
と、言うのも、目視でのピンホール穴埋め作業結果は、
接着剤が乾いて、その後ペーパーをかけてみないと
なかなか発見ができないから、結局、あ、ここにもあった・・・ということになってしまうのですね。

はい、指板はとりあえずOK・・・ということで
いよいよネック裏のリシェイプに入ります。
ココで・・・・気合い入れ〜〜タ〜イムッ!
どんなギターにせよ、完成品のギターにヤスリを「入れる」時は、
ほんとに緊張するんですよ。
何度も「大丈夫だよね?」を反すうしつつ、
覚悟が決まったら・・・・ガリっ!・・ですね。
ほんと、心臓に悪い・・・。

ま、でも一度「ガリッ!」をしてしまえば
いつものギターのネック制作と同じなので
その後は、ホイホイと作業は進みますが・・・・。

このネックジグは、ナット幅43mm用なんですが
その6F用で、3F付近をチェックしているところです。
C型アールの雰囲気をチェックしているところですが
6F用で3Fあたりしかチェックできないとは・・・
ま、それだけ根本的に太い・・・ということですね。

削っている所の写真がありませんが、
写真を撮っている余裕は、はい、ありませんでした。
とりあえず、大まかに予定の寸法近くまで削り込んだところです。

ん〜〜〜〜〜、1F付近で指板厚み24mm。
実をいうと、どこまで細くリシェイプするか・・・をかなり悩みました。ネックのリシェイプでは、天地方向と左右方向の「削り」があります。天地方向に関しては、ネックの強度を考えると、出来るだけ削りたくない・・が本音です。しかしネック左右のリサイズに関しては、天地方向よりもうチョイ思い切った加工も強度的に可能になります。たとえば一般的なフルアコのナット幅43mmにする事は、特に難しくはありません。しかしAbeRiveraというブランドのギターを考えると、ホントにそれでいいのだろうか・・という憂いが出てくるのです。ボディ全体の厚み「感」に加え、ネックの太さこそが、AbeRiveraたる所以なんですから・・・。
で、悩んだあげく、できる限りオリジナルの寸法に近く、それでいて、そこそこ「実用的」に演奏できるネックに削ろう・・・と結論に達しました。
結果的に、1Fで厚みが24mmを少し下回った厚み。
(これは、一般的なフルアコの12Fあたりの厚みですね)
もちろん、そうなると必然的に12Fあたりでは、さらにそこそこの厚みになっていますが、そこはそれ!ネック裏両側の「エラ」部分を、しっかりと削り込むことによって日本人の手の大きさでも、十分に演奏性能を確保する・・・ことが出来た・・と思います。

ちなみに・・・・・
このギターのスケールは、どーなんでしょ?
12F位置で317mm・・・・・
317mm x 2 =634mm
634mm ÷ 25.4mm(1インチ) = 24.96インチ
つまりこのギターは、25インチスケールなのでありました。
と、言うことで・・・
この先、ネックの細かいサンディングをして塗装工程に入りますので、ひょっとすると、次のメイキングはしばらく時間がかかると・・・思います。



 


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