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2/トップボードの接着



さ、いよいよ割れている部分の接着作業に入りましょう。
現状、広い所で1mm弱の隙間が出来ています。
こうした割れの場合、乾燥しきった状態で割れているので
通常は、ボディの中に、湿らせたタオルなどをビニール袋に入れ、数カ所穴を開け、ボディ内部に湿り気を与えて
十分湿度が高くなった状態にします。(1〜2週間放置)
すると、若干ですが、この割れの隙間が小さくなってきますので
その状態ではじめて、ボディサイドからハタガネ的なクランプで内側に力を加えて隙間を接着します。
ところが、このダキスト、トップボードがある意味凄くしっかりしており、ボディサイドからのクランプでは、びくともしないことが判明。

ということで、上から押さえ込むことにより
割れ部分を圧着する方法を選びました。
で、どの部分を押さえるのが最も効果的か・・・を
探っているのがのこの写真です。
写真には片手しか写っていませんが、実際には両手の親指で「割れ」のすぐ際を押さえながら、均等に隙間がなくなる部分を探っています。で・・・ある部分を押すと、隙間が完全に消える箇所を発見!

・・・というのが、このマスキングを貼った部分ですね。
この部分を上から均等な力で押さえると
割れの隙間全体が、きれいに圧着されます。
このマスキングの上でも下でも、少しでも位置が変わると
割れのどこかに隙間が残る状況になりますので
押さえ込む位置は、非常に重要と言えますね。

で、押さえる当て木を何にしようかと考えておりました。
当初は、比較的柔らかく他の材に傷をつけにくいということで
スプルースを考えていたのですが、
やはり・・堅いかな?と、
もひとつ心配だったので、昔モールドに使用していた
ファルカタ材を押さえ木にする事にしました。
で、切り出した材がコレ。

切り出したままでは、押さえ木にならないので
押さえる部分のすぐ横にペーパーを貼って
その横でゴシゴシとファルカタ材を削っていきます。

はい、このようにアーチのカーブに沿った
押さえ木が完成しました。

割れの左右で押さえ込む押さえ木です。

続いて、押さえ木がボディに当たる部分に
コルクを貼っていきます。

このように押さえ木が完成

さて次は、ボディを支えるジグ作り・・・だったのですが
以前作ったモールドが、今回のダキストボディ周囲のエッジ部分を支える形状にちょうどぴったりと判明しました。

こーなるワケですね。

トップ部分は押さえ木の上にクランプが当たりますが、
裏側は、さすがに直接ギターのボディにクランプを当てるわけにはいきません、へタすりゃ裏側が割れてしまいますからね・・・。

ボディ周囲のエッジ部分を支えにして
このようにクランプするわけです。
で・・・この写真は予行演習の時のもの・・・。
それからクランプの種類として、
いつもよく使用するFクランプなどでは、
押さえ込む力が強すぎるので
卵でもつかめるクランプ・・で有名な
このようなカムクランプがベストチョイスですね。

さ、準備は完了です。
接着していきましょう。
まずは、接着剤を割れの隙間に詰め込んでいきます・・・が
多すぎず少なすぎず・・・・
すこし接着剤を詰め込んでは、割れている部分を グイグイと上から押さえつけると、接着剤は均等に接着面に塗布された状態になります。
もちろん、はみ出た接着剤は、
クランプ前に きれいに拭き取っておきます。

で・・・本クランプの風景・・・。
はみ出てきた接着剤を、濡らしたペーパータオルで
拭きとっている所ですね。

押さえ木の隙間から、接着面を見たところ・・・。
割れは完全に消えた状態になっていますね。

で・・・これは翌日の写真。
接着面を600番のペーパーで、きれいにならしているところです。
このペーパーの中に入ってる、サンディング用の当て木は
実は消しゴム・・・です。
私が昔から愛用してるステッドラーの消しゴム・・・
ま、そんなのはどーでもいいのですが、
この消しゴムは、適度な弾力と硬さがあるので
このように小さな部分での、
ペーパー用の当て木にはぴったりなんですね。

600番の後、800番〜、1200番〜の後、
2000番で水研ぎをして・・・・・

コンパウンドで、またまた磨いてるところですね。
この磨き作業が、かなりしんどいです・・・。

コンパウンドで磨き終わったあと・・・
磨いた部分と、そうでない部分の差が
結構はっきり出てしまいました。
で・・・ここは意を決して、ボディ全体の掃除に・・・・突入!
・・・・となってしまいました。
ということで・・・レモンオイルで徹底的に磨いてるところです。

やはり何十年の汚れは溜まっているようですね。
さ、のりかかってしまったので、
これからボディ全体を磨いて行きます。
とはいえ・・・ピカピカにしてはNG。
コレは、リペアの鉄則ですね・・・。
そのギターの誕生からの経てきた年数なりに使い込んだ風の
渋い艶や光沢を再現することが重要なんですね。

家具などでよく使われるレモンオイルですが、
塗り込んだままでは、表面に油分が残ってしまいますので
しっかりとから拭きして油分を取り去って行きます。

アンティークの家具などは、あえて油分を染みこませるのが通常ですが、ギターの場合、表面にクリアのコーティングがされているので、染みこませる・・・・というわけにはいきませんね。
ということで、レモンオイルでの汚れ落としのあとは
しっかりと油分を拭き取る・・・が、かなり重要な作業なんです。
指板も同様ですね。
指板は、手で触る部分なので、特に汚れはひどいです。
ヘッドもすっかり艶がなくなってしまってました。
ボディ〜ネックと磨きを入れてきたので
ヘッドを無視することも出来ません。
・・・で、結局ペグもはずして掃除する事に・・・
ペグをはずしたヘッド裏側。
オーバーコートのクリアが痩せてしまい
ちょっと心配な状況です。
はずしたペグはコレ。
シャーラー製ですね。
かなり錆びも進行しています。

それからここ。
ニューヨーカーで象徴的な装飾部分
この金具も掃除のためにはずせないかな・・・と
いろいろ試してみましたが、結局はずせませんでした。
ま、あまりチカラワザではずそうとすると
塗装が割れたりする場合もあるので、ここはあきらめました。

ロッドカバーも取り外しました。
ロッドカバーは、無垢材なのでカルナバのワックスで磨いて・・・・
ヘッド裏も、レモンオイルでしっかりと汚れ落としをしました。
ヘッド裏は、ペグなどがごちゃごちゃしているので、
皆さん、なかなか拭き掃除などもしない部分です。
ま、こうした、「ついで」のペグをはずした時にでも
しっかりと汚れ落としをしてやると、
ギターの寿命も、ぐんと違ってくるというもんです。


 


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